物流システムとして提案する事業

JX日鉱日石エネルギーの機能化学品カンパニーは同社初の社内カンパニー。傘下の11事業は工業用洗浄剤や不織布、バイオ、炭素材など多岐にわたる。なぜ社内カンパニーが必要なのか。また、カンパニー移行で新たに何ができるのか。初代カンパニー・プレジデントに就任した中野治雄取締役常務執行役員に狙いを聞いた。 ―社内カンパニーにした理由は。 「本業の石油製品や石油化学製品に比べると、11製品それぞれの売上高はケタ違いに小さい。薄利多売で進める事業でもない。石油や石化品との関連も薄い。むしろ新規事業をスピード感を持ってどんどん創出する分野だ。それには意思決定を早くし、フレキシブルに動ける組織にするべきだと考えた」 ―どのような権限を与えられていますか。 「以前は投資をするにも経営会議にかけてから、ようやくゴーサインが出る。今は一定額までは会議にかけなくてもいい。有望案件なら即座に決断し、投資や他社との提携を進められる。もちろん撤退もあり得る。それも早く決められる」 ―具体的にどうやって新規事業を創出していきますか。 「三つのフェーズで考えている。まずは自社技術の活用。研究所に現在進行形のテーマがたくさんある。続いてオープンイノベーション。他社との連携で用途を模索する。三つ目に時間を買うという意味でのM&A(合併・買収)がある。特に変化の激しい領域では積極的に探していく」 ―事業ごとのユニット制を敷くのはどうしてですか。 「ユニット長が一つの事業に注力できる。以前は4ユニットくらいを一人の部長で見ていたため、どうしても責任が分散しがちだった。ユニット長には、通常の仕事とは別にユニットの戦略も立案してもらう。また、ユニットの改廃もプレジデントの権限の中にあり、経営会議にかけることなく臨機応変にできる」 【記者の目/将来に向けた“選択と集中”】 事業を見ると機能化学品というより、機能デバイス、または機能システムと表現した方が近い。例えば物流資材は樹脂製シートとフォークリフトの組み合わせによる物流システムとして提案する事業。炭素材は大型コンデンサーの材料に、培地は医薬製造や体外受精に使われるなど、それぞれが独特の世界を持つ。過去の多角化や新事業進出の名残という側面もあろう。カンパニー制導入には思い切って将来に向けた“選択と集中”をかける狙いもありそうだ。(編集委員・大橋修) YKK APは3日、米国で供給する高断熱の住宅用樹脂窓の生産能力を倍増すると発表した。南東部ジョージア州にあるメーコン工場敷地内の遊休建屋内に、約5億円を投じ、生産ラインを導入する。2015年1月から稼働し、年産能力は非公表。米住宅市場の本格回復で樹脂窓のニーズも高まっていることに対応する。 建屋は親会社のYKKが使用していた居抜き物件で、面積は3万700平方メートル。現在使用している建屋から生産設備を移管し、合わせて樹脂窓と複層ガラスの生産設備も追加導入する。住宅用樹脂窓をジョージア州周辺部に供給する。 YKK APは住宅やビル用建材など米国の建設市況が回復していることから、事業投資を積極化している。16年度までに米国事業の売上高を13年度比46%増の190億円に増やす計画。 豊田通商は3日、カザフスタンで農業事業に参入すると発表した。現地農業法人のコクテム(アルマティ市)による第三者割当増資を引き受け、今月中に20%出資する。出資金額は非公表。同国での農業事業への参入は日本の大手商社では初めて。生産から販売までの業務改善で農産物の収穫量を向上するほか、大規模農業法人の経営ノウハウを蓄積し、今後の他国での展開につなげる。 コクテムは同国北部に約6000ヘクタールの農場を持ち、麦類や菜種などの油糧作物や、ニンジン、ジャガイモなど多品目の農産物を生産し、主に国内向けに販売している。 豊田通商は今回の資本参加を機にコクテムの栽培・生産管理、収穫物の保管から販売過程の業務改善に取り組んで生産効率を高め、収穫量の安定化につなげる。 カザフスタンは肥沃(ひよく)な穀倉地帯を有し、日本の農地面積の約5倍となる約2400万ヘクタールの畑作農地を持つ。一方で、農産物が麦類に偏り、生産方法も降雨頼みで収穫量の不安定さが課題となっている。 ダスキンは家庭用モップで集めたホコリを吸い取る設置型掃除機「スタイルクリーナー」の生産台数を大幅に増やす。2010年にレンタルを始めた初期モデルは累計60万台を生産したが、これを新機種では100万台に引き上げる。モデルチェンジに伴い、好評だった初期モデルのユーザーの要望を盛り込むため、掃除機開発のノウハウを持つ国内大手家電メーカーに生産委託して機能を向上。生産台数を大幅に引き上げた。  スタイルクリーナーは高さ50センチメートルほどの本体の下と上部の2カ所に吸い込み口がある。下の口にはホコリをモップで掃き入れるようにして吸わせる。上部は動かせるホース式となっており、利用者はホースの口を押し当ててモップのホコリを除去する。吸い込み口が下だけの初期モデルは、別の企業に生産を委託していた。 ダスキンは初期モデルの利用者からの要望を機能に盛り込むため、掃除機の開発ノウハウが豊富な家電メーカーに生産委託先を変更。家電メーカーが1台のモーターで2つの吸い込み口から吸気する構造を実現した。 モーター1台で2方向から集じんすると圧力損失が発生するため高出力モーターが必要となる。家電メーカーは吸気の構造を工夫し、モーターの出力を抑えて静音化した。 成熟商品の掃除機について、家電メーカーの技術を生かして市場ニーズを取り込んだ製品を開発した格好だ。

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