お茶の楽しみ方がライフスタイルの変貌とともに随分と変わってきた

東京医科歯科大学は複数大学が連携して学位を授与するジョイントディグリー(共同学位)で、同大の研究指導と外国大学の臨床教育を組み合わせた博士課程を2015年度に始める。タイのチュラロンコン大学とは矯正歯科、チリのチリ大学とは消化器外科の分野で実施。ガーナのガーナ大学とも感染症分野で検討中だ。各国学生が博士号の取得後に教員になることにより、それぞれの国で日本の医療技術・器具の普及が期待される。 これは、各国の医師免許取得制度に合わせた臨床教育を外国大学が行う一方、東京医科歯科大が論文執筆などの研究指導を手がけ、2大学が共同名の博士号を出す仕組みだ。2大学から二つの学位を得るダブルディグリー(二重学位)に比べ、2大学で1学位を出すこのジョイントディグリーはより高い教育の質が求められる。日本の大学での実施はほとんどなく、数十年の大学間交流を生かした東京医科歯科大の試みが先駆事例となる。 チュラロンコン大では、東南アジアの医・歯・生命科学の拠点形成を目指した東京医科歯科大専用の協力センターがある。同国でニーズの高い矯正や高齢者向けの歯科で教育プログラムを構築する。 またチリでは、東京医科歯科大が胃・大腸がんの検診プロジェクトで実績があり、消化器分野での学位授与を計画している。  いつのころからか映画館に行かなくなった。場内の電気が消え、暗い空間になったと同時に日常の空間があっという間に非日常の空間となる。あの醍醐味(だいごみ)はなかなか味わえないものだ。 古い話になるが、子供の頃は3本立て、5本立てと一日がかりで映画を観に行っていたものである。娯楽というものがあまりなかったから、今でいうところのディズニーランドだとかユニバーサルスタジオ風のテーマパークに行くようなものだ。 大人たちは、場内でパカパカ煙草(たばこ)を燻(くゆ)らせていた。ひどい時はスクリーンが煙っていたほどだ。映写機からスクリーンまでは紫煙が一条の光となっていた。良く言えば、臨場感があった。何故か左右の奥にトイレがあり、あのにおいがなんとも鼻につきながら、子供心に郷愁を誘ったものである。 観る映画は『鞍馬天狗』だの『平手造酒(ひらてみき)』、『清水次郎長』に『机竜之介』の時代物が多かった。「エノケン」、「キドシン」、「ロッパにアチャコ」の喜劇ものも多かった。映画館を存分に楽しんでいた時代だ。 高校生になると『太陽の季節』である。石原慎太郎、石原裕次郎の兄弟が華々しくデビューした。小林旭の登場で日活映画全盛となる。片や加山雄三の『若大将シリーズ』の東宝映画だ。とびきりの人気があった。森繁久彌の『社長漫遊紀シリーズ』に『駅前シリーズ』、ハナ肇率いるクレイジーキャッツもの、とりわけ植木等の『無責任』ものは青島幸男さんの軽妙な作品とともに一世を風靡(ふうび)した。 松竹では、ヨーロッパのヌーベルバーグに影響を受けた大島渚、篠田正浩がいた。大島監督の『青春残酷物語』は当時の若者たちが等身大に映像化されていて忘れられない。このあたりからだんだんと映画館に行くことが少なくなった。30代から40代は仕事にかまけてテレビやDVD、旅行中の飛行機での映画観賞が多くなった。 お茶の楽しみ方がライフスタイルの変貌とともに随分と変わってきた。歳とともに深夜に目が覚めることが多くなり、テレビ好きのボクとしてはついつい寝ぼけ眼でリモコンをまさぐっている。B級映画と言われているもののなかで、なかなかの優れものに出くわす時がたまにある。そんな時はもう朝まで眠れない。このところ頻繁にこのケースとなっている。 ボクの好きな映画番組のひとつにWOWOWの小山薫堂さんと安西水丸さんの絶妙なコンビによる『W座からの招待状』という人気番組がある。安西さんの急逝により頓挫していたものが、あまりの人気に惜しまれ、復活した。 その第一弾として南伸坊さんと下谷二助さん、そしてボクの3人がとりあえず復活の応援にかけつけた。『歯肉炎対策のお茶』と『マジック・マイク』がボクの担当だ。こういった機会があってまた映画の楽しみを知ることができた。映画というメディアは奥深い。人それぞれ一杯の楽しみ方があるなぁと改めて勉強できた。 小説でもそうなんだけど、一行の文章、そして行間に「何か」を見つける時があるように、2時間の映画の中のワンシーンが心に残ることもある。それを見つけられた時の幸せはたまらない、と安西さんは言っていた。『W座からの招待状』は必見ですぞ。 ◇文・イラスト 長友啓典 ながとも・けいすけ 39年(昭14)大阪生まれ。食い倒れの遺伝子を持つイラストレーター。デザイン会社K2代表、ANA機内誌『翼の王国』に「おいしい手土産」連載中 「本学は自由を重視し、自分なりに考え生きていく自律性を重視している。学生の卒業研究でもこれを意識した指導が重要だ」と話すのは、法政大学総長の田中優子さん。 社会学部の教員として学生の「コピー&ペースト問題」に長年かかわってきた。「学生のリポートなのに『私は40年前に…』という文が出てくるなど、稚拙な内容もあった」と振り返る。 リポートや卒業論文の指導の際、「文献の内容を消化し、自分の言葉として引き出すために、考える作業がある」と伝えているそうで、「自ら考え、作品を仕上げられる人材を育てていきたい」と意欲的。

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